toripiyotan

何回もおなじこと喋る

コリアンダー青春日記<シーズン2>

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そ…そんな……!おいコリアンダー(小)!しっかりしろ!!

コリアンダー(小)はボロボロに傷ついた体を真っ直ぐ立て、風に撫でられ震えながら力なく微笑んだ。よく晴れた星空の下、コリアンダー(小)の纏う甘い香りが優しく広がる。

まさかここまでやられるなんて。

 

 

・・・・・・・9日前・・・・・・・・・

 

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発芽から1週間ほどが過ぎたコリアンダーたちはすっかり双葉を開いてすくすくと育っていた。やはり今回は種を一粒ずつ丁寧にまいた甲斐があり、しっかり鉢全体にバラけている。前回の反省を生かして、できるだけ触らず、水だけはしっかりと与える。

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すでに本場をのぞかせている子もいる。なんというおしゃまさんだろうか。将来が楽しみだなぁ。このまま元気に大きくなってほしい。

 

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それから5日も経つとこの通り、天気が良かったこともありふさふさである。親戚の子が大きくなるのは早い。コリアンダーの本葉が増えるのも早い。

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はいはい、お水ですね。こちらのコリアンダー(大)の方がより旺盛に育っている気がするのは何故だろう。プランターの大きさか、素材による水はけの違いだろうか。

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わたしはすっかり浮かれていた。目の前の異変を、きっと大丈夫だなどと軽く考えていたのだ。この時にはすでに、敵の攻撃は始まっていたのに。

 

この後、数日の間に特にコリアンダー(小)は謎の葉をむしられ茎だけになっていく現象に巻き込まれていく。日に日に貧相になっていくコリアンダー(小)をまじまじと観察するも原因がわからず、なすすべもなく見守るしかない日々。この間までバジルであんなに悩まされたハダニでもない、唐辛子で敗れたアブラムシでもない。明らかに何かに齧られたような跡があるのに正体が見えない。どういうことなんだ。わたしはこのままこのコリアンダー(小)を喪うしかないのか。

 

一縷の望みをかけ、夜更けに懐中電灯を持ってベランダに身を乗り出したところ、何も見えないがしかしそこに"何か"を感じ、ピンセットでそこを突いた。

 

いた!!!!!!!!!!

 

まるまるとふとった、葉とほぼ同じみずみずしい草みどり色の青虫が、がっしり茎にしがみついてモリモリ食べているじゃないか!!!!

 

小さな手足(手足?)を踏ん張りうねねと嫌がる青虫をピンセットで摘んで退治した。今夜は5〜6匹を発見できた。どうやら天敵である鳥を避け、夜により活発に活動するらしい。かしこい。おそらく、これで終わりではないだろう。油断せず明日以降も見張ることにする。

 

コリアンダー(大)にはあまり大きな被害がまだ発生していない。

コリアンダー(小)がなんとか今後回復してくれることを願う。

 

しかし食べるために育てている植物を守るためとはいえ虫を殺すこともそんなに気持ちの良いものではない。だからといってどうしようもないが。